臨床視点のお話(日々の活動量が大切というお話)
名古屋の理学療法士・ふっくんです。
本日はケースカンファレンス。
患者さんに対し、どのように治療していくかという話合いです。
理学療法士は、
患者さんの状態について、さまざまな面からみていきます。
私は基本である、
健康状態:どのような病気やけがか
心身機能/構造:筋力や関節の動き、痛みはどうか
活動:どのくらい動けるか(寝起きや食事・トイレ・歩行)
参加:どんな社会的役割があるか(仕事や趣味活動)
個人因子:どんな人か(年齢、性別、どんな性格でどんな価値観を持っているか)
環境因子:自宅や職場の環境、家族・友人等の人間関係、公的資源の活用状況など
人はこれらの状況が互いに影響し合って
存在しています。
理学療法士は心身機能/構造と活動を軸に、
これらの各項目をもっともバランスよく診られる職種だと
先輩から教わり、
自分もそうあろうと常々思っております。
(他職種の方、すみません・・・。)
このICFとの関連で
臨床でよく意識するのは
・活動-機能構造連関
・痛みの恐怖-回避モデル
です。
活動-機能構造連関は
活動は機能に影響を及ぼし、
機能は活動に影響を与えるということです。
例えば、
筋力がなく、階段を登れないという人がいます。
この人に対し、筋力を上げるよう訓練をすることで、
階段を登れるようにするのが機能→活動です。
反対に、
筋力がなくて階段がなかなかのぼれないけれども、
自宅や趣味活動の場でどうしても階段を上らないといけない。
手すりを使ってでも、手伝ってもらってでも、
毎日出かけて、毎日階段を上る。
このような活動が立派に訓練になり、筋力という機能が上がる。
つまり、活動→機能への影響となるわけです。
ネガティブな例では
おひとり暮らしのご高齢の方が、
大変だけども、何とか買い物をして、掃除をして、ゴミ出しをして・・・
なんとか過ごしているから体力が保たれていた。
それが、老人ホームへ入り、安心・安楽ではあるけれど、
いろいろと手伝ってもらい、自分のことをしなくなった
(活動をしなくなった)
ために、一気に体力が落ちてしまう。
こんなことも考えられます。
なので、
患者さんに合わせた治療・訓練(機能)と生活指導(活動)をして
機能と活動、
クリニックでのリハビリと、生活上での自分自身でのリハビリ、
両輪で
患者さんにより良くなっていただこうと思っております。
・痛みの恐怖-回避モデル
についてはまた後日。
今後ともよろしくお願いいたします。